• お知らせ

【2023年度】パルシステム千葉コミュニティ活動助成基金 交付団体 vol.11「NPO法人 あそび発達サポート研究所」の活動を紹介します!

【事業名】ダイバーシティを認め合い共生する社会をめざして

▼こうして助成金を活用しました!

「インクルーシブ教育・療法」を啓発推進するための研究・学習会費用や、地域の学校・保育施設等への広報費用に充てました。

 

パルシステム千葉コミュニティ活動助成基金
地域の諸課題に市民事業・活動として取り組む団体を資金や広報の面で支援するために、パルシステム千葉が2001年度から設置しています。

 

ムーブメント教育・療法ワークショップ

私たちは、2006年より成田市を中心とした地域で「ムーブメント教育・療法」を子育て支援や発達支援に取り入れて活動しています。「ムーブメント教育・療法」とは、一人ひとりの能力差にかかわらず、みんなといっしょに活動するなかで「個」に寄り添いつつ発達を促す方法の1つで、特別支援教育をはじめ保育の現場や、ニューリハビリテーションとして病院でも活用されているものです。

この教育を広めることで、発達が気になる子どもたちに元気を届けたいと考え、これまで活動を共にしてきたメンバーを中心に小学校や特別支援学校の先生・保育士・保護者の皆さんに応援していただき、当法人が誕生しました。

 

「ムーブメント教育・療法」を広める活動

現在行っている活動は、大きく分けると2つです。1つは「ムーブメント教育・療法」について知識や理解を深めていただくための啓発活動で、ワークショップや研究会を成田市下総公民館で開催するほか、オンラインでも実施しています。

 

昨年の11月に行った講演会では鎌倉女子大学の先生をお招きしましたが、当日参加したさまざまな立場の方々(教員・保健師・保育士・保護者・関連施設職員など)と熱心な質疑応答もあり、大変充実した内容となりました。

ムーブメント教育・療法ワークショップ

  • 11月12日の講演会では熱心な質疑応答が

  • 講演会後のフリートーク

  • 鎌倉女子大学教授 小林保子先生

保育・教育現場における実践活動

もう1つの柱としているのが、地域の保育園・幼稚園などで行っているムーブメント教育の実践活動です。コロナ禍でお休みしていた「出前ムーブメント」(月2回程度)も再開し、ムーブメント教育を体験した園から後日、同じ園の他のクラスでの実施を依頼されるなど手応えを感じています。前向きに取り組んでくれる園の方々を積極的に支援しながら、評判を聞いて問い合わせてきた方々にもこの教育の良さを地道にお伝えしていきたいと思います。

保育園へ出前ムーブメント

オンラインの活用で新たなつながりも

一方、コロナ禍がきっかけで始まったオンラインのムーブメントでは、幅広い地域の療育団体が「丸ごと複数」参加するという、およそ会場開催型では不可能に近かった形で実施することができています。団体間の交流の場となるとともに、当団体立ち上げ時からほぼ代表一人で担っていた企画や進行を、最近では安心して任せられるリーダーが増え、頼もしい限りです。

オンラインでムーブメント

理想に向かって少しずつ堅実に

こうした高評価の一方で、教育実践の継続・浸透には難しい現状があります。複数人が連携して行うプログラムにも関わらず、現場の人手が不足していること、障害のある子どももない子どもも共に学ぶ「インクルーシブ教育」の認知がなかなか進まないこと、「手厚い対応が必要な子どもは、そうではない子どもたちと別の場所で支援を受けた方がいい」という考えがまだまだ主流であることなどが挙げられます。

しかし、研修会や勉強会に参加していただいた方々にはムーブメント教育の良さをわかっていただけること、最初は大変だったプログラム作りも楽しくできるようになり、保育者としてのスキルアップが期待できるなど、これからもムーブメント教育の周知を図っていく意義は大きいと考えます。私たちも、ムーブメント教育・療法のプログラムを現場で実践・継続できるようにサポートする方法を磨いていきたいです。

一人の子どもとしてどう向き合うか

ワークショップで講師から「アンチバイアスは3歳児のころにつくられる」というお話を伺いました。障がいがある子、特別支援が必要な子など、大人がする「区別」が、いつしか子どもの偏った見方に大きく影響しているかもしれないと改めて考えさせられました。区別なく一人の子どもとしてどう向き合えるか、将来を担う子どもたちにどんな姿を見せられるか、とくに幼児期に関わる活動だからこそできることを模索していきたいと思っています。

7月2日 インクルーシブ研究会に参加した皆さん

お問い合わせ先

NPO法人 あそび発達サポート研究所

所在地:千葉県成田市
ホームページ https://npo-asulabo.jimdosite.com/
メール npo.asulabo@gmail.com