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【2023年度】パルシステム千葉コミュニティ活動助成基金 交付団体 vol.13野田市中途失聴者・難聴者の集い「みみづくの会」の活動を紹介します!

【事業名】難聴者の聞こえを支援する『出前・聞こえのサポート』普及推進事業

▼こうして助成金を活用しました!

例会や各種イベントで要約筆記を投影する液晶プロジェクターの購入や会場・資料作成費用に充てました。

 

パルシステム千葉コミュニティ活動助成基金
地域の諸課題に市民事業・活動として取り組む団体を資金や広報の面で支援するために、パルシステム千葉が2001年度から設置しています。

 

1991 年、51 歳の時に突発性難聴を患い全聾となりました。コミュニケーション手段として手話を学習しましたが満足できず、1995 年に人工内耳の手術を受け、再び音声言語を頼りに、地域で要約筆記サークルや、要約筆記通訳者の養成活動等に参加するようになりました。そして1997年、野田市の難聴者や中途失聴者のコミュニケーション促進を目的とした「みみづくの会」を設立し、以後は野田市でバリアフリーのまちづくり等の福祉活動に専念しています。

(野田市中途失聴者・難聴者の集い「みみづくの会」 会長 吉岡靖二)

口話・筆談・手話・要約筆記

耳が不自由なためにコミュニケーションがうまくいかず、何となく寂しく、物足らない毎日を過ごしている方はおられませんか?

「みみづくの会」では、難聴者や中途失聴者が月2回集まって、それぞれの方法でおしゃべりを楽しんでいます。簡単な日常会話であれば補聴器を使って残存聴力を活用しながら、ゆっくりした口の動きから話し言葉を伝え合う「口話(こうわ)」を中心に、筆談や手話で補うなどしています。

  • 集会やイベントといった集団でのコミュニケーションには、文字をスクリーンなどに映して伝える「要約筆記」通訳が向いています。野田市には、話の内容を瞬時に要約して文字に起こす「要約筆記者」の登録制度があり、当会も派遣を受けています。

  • 例会で採用しているのは「OHC要約筆記」と呼ばれるもので、マジックペンで手書きした文字や記号をオーバーヘッドカメラ(OHC)で撮影し、液晶プロジェクターからスクリーンに映し出す方法です。ほかにパソコンを使って入力する方法もあります。

要約筆記サークル「ほたる」の皆さんと

私たちの大切なパートナーである要約筆記サークル「ほたる」の皆さんと連携し、野田市の「市民ふれあいハートまつり」等に参加して、OHC要約筆記とパソコン要約筆記の初歩的な体験学習のデモンストレーションをしています。前回の参加時には、訪れた難聴者の方が知らなかった行政サポート制度等を案内することができました。また、要約筆記を知らない方々も真剣に体験を受けていただくことができました。

 

「聞こえ」のサポートは認知症の予防にも

近年、難聴が認知症の重要リスクとして挙げられており、うつ病の発症リスクも大変高いとされています。とくに加齢性難聴者への対策が急務であり、補聴器や補聴援助機器についての正しい知識をはじめ、外出先での補聴援助機器の設置・普及が望まれます。

そこで私たちは文字通訳だけでなく、残された「聞こえ」をサポートする「難聴者用スピーカー」と「ヒアリングループ」を設置して、さまざまな活動を続けています。

  • 難聴者用スピーカー
    音のバリアフリーをめざして開発されたポータブルワイヤレスアンプ。離れたところでも音が小さくならず、よりクリアな音を広く遠くまで届けます。

  • ヒアリングループ
    補聴器や人工内耳装用者の場合はループアンテナ内の席に座り、ご自分の補聴器のスイッチまたはプログラムで「Tコイル受信モード」に切り替えることで、マイクからの音声が周囲の雑音に左右されず、クリアに聞き取れます。補聴器をお持ちでない方には、イヤホンで利用できる手元受信器を貸し出しています。

こうしたさまざまな補聴援助機器を活用して、野田市や社会福祉協議会、障がい者団体連絡会と関わりのある関係行事に参加するための打合せ、「みみづくの会」としての独自行事の企画の打合せや意見交換などで交流を深めています。また、難聴者用の「耳・聞こえの予防体操」「えだ豆体操」など、パソコンとプロジェクターを利用して気分転換したりと、参加者が楽しめる工夫をしています。

 

「出前・聞こえのサポート」もはじめました!

コロナ感染予防対策のために自粛生活を余儀なくされていましたが、何とか打開策を見出したいと思い心機一転。加齢難聴者が参加される会議や集会の場に「難聴者用スピーカー」と「ヒアリングループ」を持ち込んで、参加者のよりよい聞こえをサポートする「出前・聞こえのサポート」をはじめました。

耳が聞こえにくくなると家族とのだんらんの場にも入れず、人と会うのが億劫になりがちです。近所に、知り合いに、地域社会に孤独な思いをしている方を一人でも減らせればと思います。ぜひご相談ください。

耳の聞こえにくい方々のチカラになりたい

高齢者の会員が多かったために、ここ数年で亡くなられたり外出が困難になったりで、メンバーが大幅に減少しています。現在、野田市内だけでも聴覚障がいで「障害者手帳」を持つ方は400名以上いますが、そうした方々やご家族に当会の存在や各種サポート情報が届いていない状況があります。聴覚障がいに対する行政等のサポート自体が、他の障がいに対するサポートより遅れている感は否めません。

今回の助成金で入手した液晶プロジェクターを活用して「出前・聞こえのサポート」活動を普及させるとともに、「ほたる」の皆さんと協力しながら、会員を増やすためにより積極的に前向きな活動展開を図っていきたいと思っています。

【予告】「耳・聞こえの体験・相談会」を開催します

日時:2024 年10 月13 日(日)
会場:野田市中央公民館

詳細は下記までお問い合わせください。なるべくFAXかメールでお願いいたします。

連絡先

野田市中途失聴者・難聴者の集い「みみづくの会」

所在地:野田市春日町38-12
TEL 04-7129-7303 /FAX 04-7127-8575
メール seijiyoshioka@jcom.home.ne.jp
ホームページ http://www.mimi-comm.com/