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【2024年度】パルシステム千葉コミュニティ活動助成基金 交付団体 vol.3「特定非営利活動法人子ども劇場千葉県センター」の活動を紹介します!

【事業名】子どもの気持ちに寄り添うためのチャイルドライン千葉の聴く体制の整備

▼こうして助成金を活用しました!

チャット用パソコン及び周辺機器の購入、ポスター印刷と発送にかかる費用に充てました。

 

パルシステム千葉コミュニティ活動助成基金
地域の諸課題に市民事業・活動として取り組む団体を資金や広報の面で支援するために、パルシステム千葉が2001年度から設置しています。

 

小中学校に送るチャイルドラインポスターの発送準備

『子どもの権利条約』では子どもたちの最善の利益を守る立場から「意見表明」「表現の自由」などの権利をうたい、子どもを人格ある社会の一員として位置づけています。また、「休暇・余暇・遊びや文化的生活、芸術に参加する権利」〔31条〕が、子どもたちの創造性・主体性を養ううえで重要だと掲げています。

 

子ども劇場千葉県センターは「文化」の力で地域を結び、子どもの生活文化環境をよりよくすることをミッションとして1999年に法人化。子どもたちが成長するうえで、家庭は「養育」、学校は「教育」、地域は「遊育」の場と捉え、子どもとプロの舞台芸術家が出会う事業、子どもの声を聴く「チャイルドライン千葉」、保護者向けの「子育て相談電話ママパパラインちば」などさまざまな事業を千葉県内で行っています。子ども自身の生きる力を信じて、子どもにとって何が最善かを考え、子どもたちの声を聴き、その声を社会に届けながら子どもの育ちや子育てを支援します。

名前を言わずに胸の内を話せる心の居場所「チャイルドライン」

 

「チャイルドライン千葉」は今年で25年目を迎えました。全国組織であるチャイルドライン支援センターのもと、全国68団体とネットワークを組み、「全国統一フリーダイヤル」「ネットでんわ」「オンラインチャット」の3ツールを利用して、匿名制を守りつつ、18歳までの子どもの話を聴いています。

 

千葉市、野田市、市川市内の3カ所のキーステーションでボランティア84名(2024年4月現在)が活動しており、2023年の受信件数は5,306件でした。

 

利用する年齢層は中高生が多いものの、小学校低学年のお子さんがうれしい報告をしたくて利用する微笑ましいケースもあります。しかし高学年になるにつれ深刻な悩みが多くなり、中高生は人間関係や受験に関する悩みが多くを占めています。とくに友人関係等のトラブルについて話を聴いていて気になるのは、以前は相手に不満を持つ内容の発言が多かったのが、最近は自分自身を責める子どもが増えていることです。

 

子どもの心に寄り添って

 

そんなときも指導や指示などは一切せずに、子ども自身で解決の一歩が踏み出せるようにいっしょに考えています。「そういう気持ちなんだね」と辛い気持ちを共感することにより、子どもも少しずつ落ち着き、自分の中で持っている解決方法を前向きに引き出すことが可能になります。

 

泣きながら電話してきたお子さんが、通話が終わるころには少し明るくなっていることもあれば、張り詰めた状態で連絡してきたお子さんがふっと緊張が解けて泣き出すこともあり、相談してくる子どもの状況はさまざまです。

 

顔もわからない大人だからこそ胸の内を話せる・・・こうした場所を提供し続ける意義を実感しています。

 

助成金を活用して増加するオンラインチャットに対応

 

電話の苦手な子どもが増えている現状に比例するかのように、電話での受信件数は減少している一方でオンラインチャット件数は増加しており、開設時間帯(16時~19時)には待機中の子どもが途絶えない状況になっています。全国でネットワークを組んでいる他団体と協同し、多いときには20台体制で対応していますが、それでも1時間以上待機してもらうケースも珍しくありません。

 

今回の助成金によりオンラインチャット用のパソコンが購入できました。子どもからは「文字対話」への要望が多くあり、チャット実施日が増えアクセスも増加している現状に対応することができました。

 

また、毎年、小中学校に各1枚ずつ配布していたチャイルドラインポスターを、保健室掲示用も含め2枚ずつ配布することができました。多くの子どもたちの目にふれることで「一人で抱え込まなくていいよ」「名前を言わずに話せる場所があるよ」ということを知ってもらう機会が増えました。今後は県内の高校にも広げていきたいと思っています。

 

よりきめ細やかな対応ができる体制づくりを

毎年、県内公立私立の小学4年生~中学生一人ひとりに配布しているアドカードを、今後は小学1年~3年生にも広げていければと思っています。また、小・中学校での出前講座等の啓発プログラムを開発するとともに、フリーダイヤル、ネットでんわ、チャットのすべてに対応できる受け手の育成を行い、すべてのツールで毎日実施できる体制づくりをめざしています。

 

そのためにもチャイルドラインへの理解を広め、子どもが抱える課題にいっしょに取り組むボランティア仲間を増やしていきたいです。ご関心のある皆さまの参加をお待ちしております。

お問い合わせ先

特定非営利活動法人 子ども劇場千葉県センター

所在地:千葉県千葉市中央区新千葉2-17-6 サンコート新千葉102号
ホームページ https://chiba.gekijou.org/
メール kidchiba@lily.ocn.ne.jp

TEL 043-301-7262