【2024年度】パルシステム千葉コミュニティ活動助成基金 交付団体 vol.6「NPO法人 Matsudo子どもの未来へwith us」の活動を紹介します!
【事業名】松戸子ども食堂 サマーキャンプ 2024 自然体験プログラム
▼こうして助成金を活用しました!
自然体験サマーキャンプの往復貸し切りバス費用に充てました。
パルシステム千葉コミュニティ活動助成基金 地域の諸課題に市民事業・活動として取り組む団体を資金や広報の面で支援するために、パルシステム千葉が2001年度から設置しています。 |
松戸市内の子ども食堂を支援する中間支援団体
子ども食堂は、多様な大人が関わる地域コミュニティの居場所として子どもの成長を見守る活動を行っています。困難を抱えた子どもと家庭の孤立を防ぐために、2016年より子ども食堂の運営をはじめ、市から受託した学習支援事業、市内子ども食堂のネットワーク構築、東葛地区6市の子ども食堂ネットワークによるフードバンク運営など、さまざまな民間団体や行政との協働連携を進めてきました。
こうした経験をもとに、子ども食堂の立ち上げや人材発掘・開発、子どもの居場所に関する普及活動やモデル事業を行う中間支援団体として、2020年6月、新たにこの団体を立ち上げました。すべての小学校区に子どもの居場所を作ることで、地域から取りこぼされる子どもをなくすことをめざしています。
10代の居場所モデル事業「with us 北松戸」
学習支援もできるスタッフが常時1名控えており、居心地の良さを保つため見守るスタンスを取っています。10代なら誰でも利用可能で、高校生や高卒生、中学生などが随時利用しています。現在は週4回の運営ですが、休業日である火曜も開いてほしいなどの声もあります。
この事業はモデルケースとして運営しており、こういった居場所をオープンしてみたい方々への具体的な運営方法等を提示し、サポートできればと考えています。
その他、行政等に対する子どもの居場所に関する調査・研究・提言事業や講演活動、受託事業として松戸市による「要見守り対象児童の自立支援事業」や、パルシステムによる「給付型奨学金伴走支援団体」としても活動しています。
立ち上げ支援に加え「自然体験プログラム」を提供
新規に子ども食堂を立ち上げる団体に対して、2021年度5件、2022年度2件、2023年度4件の相談支援を行いました。現在、松戸市内で常設している子ども食堂は46軒になっています。
一方、「松戸市子育て世帯生活実態調査2020」では、家庭の成育環境によって体験の格差が生じていることが示されており、多様な体験機会の提供が求められています。とくに自然体験は非日常的な環境で他者とのかかわり方や環境に対する理解など、子どもの成長期に大きなプラスの影響を与えることから、地域の子ども食堂への活動支援として「自然体験プログラム」の提供にも取り組んでいます。
毎年、小3~中3を対象に、夏のサマーキャンプ(千葉県房総・1泊2日)と冬のスノーキャンプ(福島県・2泊3日)を開催しています。2022年度からこれまでに141名(小学生102名、中学生39名)の子どもたちが、12の子ども食堂から参加しました。
今まであまり海で遊んだことがなかった子どもも多い中、高いところから海に飛び込む体験は楽しかった上に自信をつけるチャンスになっているケースも多いようです。
また、高校生・大学生ボランティア(過去にプログラムに参加した学生や子ども食堂を利用している高校生など)もこれまで延べ25人が参加していますが、年下の子に対する気配りやリーダーシップなど、その年代だからこその貴重な体験を得られています。
保護者の方々からは、お子さんの満足そうな様子に喜ぶとともに、数日間お子さんと離れることにより保護者自身の気づきもあったとの声をいただいています。
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運営側も、予想以上に大好評の「マシュマロ焼」など、「楽しい」と感じるイベントが大人と子どもでは違うことも多々あり、子どもに寄り添うことの必要性を改めて痛感しています。内容も大人が考えたものをただ提供するのではなく、子どもの主体性や想いを尊重しつつ、いろいろな制約(安全面や資金面など)の中でどう最大限実現できるかが大きな課題です。
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その実現にはスタッフの習熟度やスキルの向上も必要不可欠です。また、定員に限りがある中、継続参加により成長が期待できるリピーターの参加者と新しい体験をしてもらいたい新規参加者の人数バランスのとり方も課題の一つです。今後は文化・社会体験プログラムも企画する予定があり、その分野に詳しいスタッフを中心に準備中です。
子どもの居場所に関する普及啓発事業
毎年、子どもの居場所づくりや子ども食堂の意義や運営等をテーマにしたシンポジウムを開催しており、多い年はオンラインで80名の参加がありました。2023度は「安全安心なこどもまんなかの子ども食堂/居場所とは」というテーマのもと、子どもたちが自分らしくいられる安心して過ごせる居場所を作るために、子どもの権利やセーフガーディングの視点を取り入れた運営について、松戸市内の子ども食堂運営者を中心に41名の参加者によるグループワークを行いました。
参加者からは「今まで考えたこともなかった」「子どもの安心安全を守るためには場合によっては固定観念を取り払う必要もあり、運営者として子どもを守るための数々の気づきを得た」といった意見が寄せられています。
中間支援団体としてさらなるブラッシュアップを
子ども食堂の運営に関しては、現段階では数の増加より質の向上(子どもたちが本当に安心安全で過ごせる居場所になっているか)を重視し、現在行っているシンポジウムをはじめとする勉強会等にさらに力を入れ、子どもの人権が守られるような啓蒙活動を継続していきたいと考えています。
パルシステム千葉の皆さまへ
今回の自然体験サマーキャンプにおいて松戸/南房総市間の貸し切りバス・往復高速料金などの交通費を助成いただきました。小学3年生から中学3年生までの異年齢の子どもたち33人の長距離の移動では、移動時の引率の安全性や感染症対策のためにも貸し切りバスでの移動が電車などの公的交通機関の利用より適しています。さらに、バスの乗車中にプログラムの説明や自然体験を共にする仲間とのコミュニケーションを図ることができ、体験プログラムの効果を高めることができました。
おかげさまでさまざまな背景を抱えた子どもたちが、南房総の海岸の自然の中で、初めての楽しくワクワクした自然体験、仲間と話し合い協力する学びなど、日常生活では経験できない時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
これからも私たちは地域で「子どもの声を聴き」「こどもまんなか」の環境を作り、子どもや若者たちが対等なパートナーとして参画できる地域社会をめざして活動していきます。今後ともお力添えをどうぞよろしくお願いいたします。
お問い合わせ先
NPO法人 Matsudo子どもの未来へwith us
所在地:千葉県松戸市
メール matsudo.withus@gmail.com