Palnote vol-143 2024年11月3回号掲載【特集】とってもサステナブル!“地産地消”千葉のこめ豚
安定した生産には飼料の国産化が不可欠
日本の畜産業は飼料のほとんどを輸入に依存しています。
日本で流通する豚肉のうち、国産豚肉は約50%ですが、飼料も含めた国産比率は約6%とほんのわずかに過ぎません。
異常気象や紛争などにより世界の穀物事情は大きく変化しており、輸入飼料の値上がりとともにコスト高により廃業を選ぶ生産者も増えています。飼料を国産にシフトすることは、国内の畜産業を守ること、そして食料自給率の向上に直結している課題なのです。
『パルシステム千葉のこめ豚』
パルシステムの産直産地「北見畜産」では、生後約4カ月目から出荷の約2カ月前までの間、米を飼料に10%以上配合して育てた“こめ豚”を生産しています。この飼料用米は、耕作放棄された田んぼを再利用し、こちらも県内の産直産地である「サンドファーム旭」および「市原市飼料用米生産・利用協議会」が手掛け、作り始めたもの。さらに加工も県内工場で行っています。
「千葉県の米を食べ、千葉県で育ったこめ豚を千葉県の組合員にお届け」、まさに地産地消を体現した商品なのです。
飼料用米の産地は…サンドファーム旭
パルシステムではトマトやきゅうりの産地としておなじみ。地域循環型農業を基本にして農家の自立をめざすことが環境保全につながると考え、農薬にできるだけ頼らずに生産する方法や品質向上に取り組んでいます。
「耕畜連携」で豊かな田んぼ
耕作放棄などで休耕田になると、雑草や害虫が増え、鳥獣被害などの環境悪化が進んでしまいます。飼料用米を作ることで、荒れた田んぼに本来の生命力がよみがえり、土地の有効活用と耕地の保全が進み、地域の活性化にもつながります。
また、水を満たした田んぼには、水を浄化したり二酸化炭素を吸収したりするという重要な役割もあるのです。
\教えて/こめ豚
こめ豚に関する疑問やおすすめポイントなどを、実際に市原市で『パルシステム千葉のこめ豚』を生産している生産者に伺いました。
-
北見畜産(市原市)北見則弘さん
千葉のこめ豚の特徴は…?
脂に甘みがあり、あっさり
通常の産直豚と比べると、若干肉の色味が白っぽいのが特徴です。脂が甘くて、後味が軽やかなのですが、肉のうま味はしっかり味わえます。部位によっても全く味わいが違うので、一頭まるごといろいろな部位が隔週で届く「千葉のこめ豚」でぜひお試しください!
薬は最低限。密にならない豚舎でのびのびと育ちます。
のびのび、元気に育ちます
一般的な畜産では、生産効率を上げたり、病気を防いだりするために、抗生物質などの薬剤に頼ることも。もちろん全く薬を使わないわけではないのですが、豚にとってストレスが少なくなるよう、穴を掘ったり、寝転がったり、自由に動ける環境で育てるようにしています。できる限り薬剤に頼らないよう、健康的に豚を飼育しています。
※「伝染予防法」という法律で、最低限の薬剤を使用することが定められています。
千葉県ならでは?! 「小さな地域での循環」をめざして
北見畜産のこめ豚は、同じ千葉県内の飼料用米を食べて育ち、県内で加工され、そして千葉の組合員の元に届きます。豚から出るふん尿もまた作物を作る肥料として使われ、育った作物は千葉県内で流通します。実はこれができるのは、産地と加工場がそろい、さらに消費人口も多い千葉県だからこそ。世界情勢や異常気象で飼料の価格が乱高下している現状にも対応できる、この「小さな地域での循環」を大切にしたいと思っています。
千葉のこめ豚を一番おいしくいただくには…?
こめ豚の魅力は、なんといっても脂のうま味。中火でさっと、肉が固くならないように焼き過ぎないのがコツです。初めての方は「ゆで豚」で食べるのがおすすめです。
こめ豚の肉のうま味と脂のおいしさが実感できますよ。
「こめ豚ねぎ塩まぜごはん
材料【2人分】
ごはん・・・・・・・・・・・お茶碗2杯分
こめ豚(お好きな部位)・・・200g
長ねぎ・・・・・・・・・・・1/2本
片栗粉・・・・・・・・・・・大さじ1
★便利つゆ・・・・・・・・・大さじ1
★白だし・・・・・・・・・・大さじ1
★海はいのち・・・・・・・・小さじ1
★おろししょうが・・・・・・小さじ1/2
ごま油・・・・・・・・・・・大さじ1
作り方
1 長ねぎは大きめのみじん切り、こめ豚は1㎝程の細切りにする。
2 こめ豚に片栗粉をもみ込んでおく。
3 フライパンにごま油を熱し、こめ豚を炒め、焦げ目がついたら長ねぎを加え、さらに炒める。
4 ★の調味料を加え、味をなじませ火を止める。
5 炊いたごはんと混ぜ合わせたらでき上がり。
こだわりの豚肉を隔週でお届け!
あっさりとした脂とコクのある味わいが好評のパルシステム千葉独自商品です。千葉のこめ豚は登録制。登録すると1年を通じてさまざまな部位が届きます。
ぜひ食べて「千葉の地産地消」を応援してください!