「市川緑の市民フォーラム」の活動を紹介します!
【事業名】「クロマツが教えてくれる―戦争のころの市川」発行事業
子ども向け小冊子『クロマツが伝えてくれる-戦争と市川』の制作費用に充てました。
クロマツに残された「軍都市川」の歴史を後世に伝えたい
実際に、勤労動員で松ヤニを集めたという女性の話を市川市史の編さん委員の方から伺いました。クロマツまつわる歴史を通して、戦争のころの市川に住む人々のくらしを広く知ってもらおうと、2020年に詳しい調査を行いました。
市内に残るクロマツを片っ端から調査
私たち「市川緑の市民フォーラム」は、市川市の自然・歴史・文化を生かしたまちづくりを求め、2010年から都市緑地や市川の海「三番瀬」の保全などについて、行政に具体的な提言を行ってきました。
大勢のメンバーで手分けして調査できるように共通の「調査カード」を作成し、傷痕のあるクロマツの分布状況、傷痕の位置や大きさ、幹回りの太さなどを記録していきます。
こうして半年近くの時間をかけて、市のクロマツ台帳に記載されている2,200本のうち、民有地にあるものなどを除く8割超の調査を終えることができました。
2021 年8月に『市川市のクロマツに残る戦争末期の松脂採取痕調査報告書』を、市川市長並びに市川市教育長に提出しました。その時に、市川市の木「クロマツ」に残るこの戦争の傷痕を保存し、説明看板を取付け、平和学習に活かしていただくよう要望しました。その結果、市内3つの小学校の校庭に残る「クロマツ」に、市教育委員会がすぐに説明看板を設置してくれました。
東京新聞2022.1.26朝刊より
次世代を担う子どもにも知ってほしいから
さらにこの史実を子どもたちにも知ってほしいと思い、2021年9月から小冊子の編集に着手しました。地元、県立国分高校の漫画研究会の生徒さんたちも参加して、松ヤニ採取のエピソードを「いたかったねクロマツさん」というタイトルで漫画にしてくれました。このクロマツに残る松ヤニ採取痕を通して、戦争のころの市川に住む人々のくらしを知り、同時に「戦争の愚かさ」や「二度と戦争はしてはならない」ということを感じ取れるような、子どもにもわかりやすい内容をめざしました。
小冊子『クロマツが伝えてくれる-戦争と市川』は、市教育長を通じて市立の小中学校、図書館等への配布し、さらに市立以外の各種教育機関にも贈呈していきます。
とくに市内の小学校には40部ずつ贈呈し、授業でクラス全員がこの小冊子を手に持って学べるようにしました。新聞等でも大きく掲載され、「小冊子が欲しい」と嬉しい反響をいただいています。また、フェイスブックページ「みどりのふぉーらむ編集室」でも写真を公開して、興味のある方が自由に使えるようにしています。ぜひ、平和教育に役立ててください。
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『クロマツが伝えてくれる-戦争と市川』
人と人が向き合う大切さを地域から
戦争は最大の環境破壊です。尊い命が失われ、温暖化対策や生物多様性のための努力の積み重ねが台無しになってしまいます。小さな市川の環境保全をやりながら、常に地球全体の環境保全を考えてきました。武力による解決ではなく、人と人が向き合う姿勢を大事にしていきたいと思います。
※事業名にある冊子タイトルは制作前の仮称となっています。
パルシステム千葉コミュニティ活動助成基金 地域の諸課題に市民事業・活動として取り組む団体を資金や広報の面で支援するために、パルシステム千葉が2001年度から設置しています。 |